アイボリー色の中身は身が締まり、ナッツを思わせる素朴でやさしい味のチーズ。熟成したものは、やわらかい香りと共に薄く発泡性の食感が広がります。
フランスとスペインの国境にありながら、どちらの国とも異なる独自の文化を持つバスク地方が産地。
昔からこの地方の人々にとって、羊は彼らの生活になくてはならない存在ですが、ここにいる羊は他ではあまり見たことのない種類ばかり。
繊細な風貌を持つロックフォール用のコーヌ種などとは違って、野性的な羊です。
そんなワイルドな羊のエサとなる高山植物も、このあたり特有のもの。
オッソー=イラティのチーズのおいしさに一役買っているのです。
オッソー=イラティは、羊乳特有のうまみを持ちながら、ハチミツのような上品な甘みが残るのが特徴です。
濃厚で酸味があり、バターのようなコクと香りがありながら、クセがなく食べやすいチーズです。
派手さこそありませんが、かみしめるごとに味わいが増し、やさしい甘みが感じられます。
熟成が進むごとに深みを増し、白いアミノ酸の結晶が見られるようになったものは絶品です。
オッソー=イラティというネーミングは、オッソーとイラティという産地の名前から。
ピレネー山脈のふもとに広がるバスク地方のイラティの森とベアルヌ地方のオッソーの谷からです。
見た目は、ベージュ色の表皮におおわれてどっしりとした趣。
表皮がオレンジがかっているものもあります。
生地はクリーム色のなめらかな組織で、食べるときにはカットして並べるのがよいでしょう。
ベアルヌ地方ではジャムや肉料理のコンフィと一緒に食べます。
ハチミツと合わせてもおいしい。
そのままでおつまみにしてもよく、薄くスライスして生ハムに添えると、とてもゴージャスなオードブルとなります。
赤ワインととても良く合います。