サン=ネクテールは、フランスでは日常のテーブルチーズとして人気。
味はかすかにマッシュルームとヘーゼルナッツの風味が感じられます。
生地はやわらかく、むちむちと弾力のある食感が楽しめます。
サン=ネクテールにも農家製と工場製がありますが、工場製は初心者でも食べやすいやさしい味わい。
日本に流通しているサン=ネクテールのほとんどは工場製で、もっちりとして白カビタイプよりも食べやすいぐらいです。
クセはほとんどありません。
通をうならせるのは、やはり農家製。
特にフランスでしか、手に入らないワラの上で熟成させたものは、非常に個性的で圧倒的な存在感があります。
独特のにおいは、例えると古漬けや高菜漬けのようなワラとカビがかもし出すかなり強烈なにおい。
身は柔らかく、漬け込んだ塩の味、ナッツの香ばしさ、ビリッとした辛味もあります。
はまるとすっかりとりこになってしまう魅力があります。
浅い熟成では、匂いや味の豊かさは充分楽しめないでしょう。
工場製と農家製の見分け方はチーズの表面に緑色の品質表示マーク(カゼインのマーク)がはられていて、楕円形なら農家製、眼方形なら工場製です。
農家製は表皮をおおう白、赤、黄色のカビにすっかりおおわれて、マークが見えにくいことも。
チーズ名の由来である産地の村は、フランスの中央オーヴェルニュの標高1000mの山麓にあります。
1000年を超える歴史を持ち、太陽王ルイ14世の食卓に出されて評判になりました。
それ以降フランス人に広く支持され続けているチーズです。
このチーズに合うのは、フルーティーな赤ワイン。
お酒と一緒に味わうだけでなく、料理に使ったり、朝食などに食べるのもいいでしょう。
パンにのせて少し温めるだけでも、おいしくなります。