羊乳特有のうまみを持ちながら、ハチミツのような上品な甘みが残るのが特徴。濃厚でこってりとしていながら、クセなく食べやすいチーズ。
アジアーゴの故郷はヴェネチアの北、標高1000mの山の麓にあるアズィアーゴ村。
もとは羊のミルクでつくられていて、ヴィチェンツァのペコリーノとも呼ばれていましたが、16世紀、アジアーゴ高原に牛がやってきてからは牛乳製が主流となりました。
アジアーゴにはタイプの違う2つの種類があり、同じ名前で呼ばれていますが、味には違いがあります。
一般的に知られているのは、アジアーゴ・プレッサート。
円盤形で重さは11〜15kgあり、淡いクリーム色をしています。
生地にはところどころに不規則な気孔があります。
脂肪分が高く、ほのかな酸味と甘みがあり、しっとりとしたやわらかさが持ち味です。そのまま食べるのはもちろん、クセがないのでいろいろな食材と合わせやすいのが特徴。
もう一つのアジアーゴ・ダッレーヴォも円盤形で、重さは8〜12kg。
表皮の色は茶色でつやつやとしています。
ダッレーヴォはかたく、アミノ酸の結晶が見られ、引き締まっているのが特徴です。かみしめるほどに味わいが増す趣のあるチーズで、コクのあるおいしさは、一度食べたら忘れられないほどです。
熟成は3ヶ月〜12ヶ月と長く、2年以上熟成させることもあります。
ただし、手に入りにくいのが難点。農家製が中心の生産。
アジアーゴ・プレッサートには、フルーティで軽めの赤、またはロゼワインが合います。
グラタンやバスタに、少し厚めにカットしパン粉をつけて焼けぱ、りっぱな一皿となります。