羊乳特有のうまみを持ちながら、ハチミツのような上品な甘みが残るのが特徴。濃厚でこってりとしていながら、クセなく食べやすいチーズ。
地中海に浮かぶ小さな島、メノルカ島はマヨネーズ発祥の地として知られていますが、同時に温暖な気候の中、昔から牧畜を行いチーズづくりが盛んだったところです。
かつては地中海貿易の要所であったこの島の港名、「マオン」がチーズ名になっています。
マオンは、島で放牧されている牛のミルクを原料につくられます。
表面をオリーブオイルでこすりながら熟成させたり、パプリカを加える場合もあり、少しばかりの酸味があり、潮を思わせる香りがさわやかです。
濃いオレンジ色から赤褐色の外皮を持ち、やや脂っぽい。
熟成は伝統的なものは塩を加えて、最低1ヶ月、オイルとパプリカでこすります。
農家製は無殺菌乳で作り、最低2ヶ月以上熟成させます。
熟成の進んだものには、カラスミのようにピリッと辛いシャープな風味があります。
フレッシュなものから熟成が進んだものまで、そのときどきで味わいが楽しめるマオン。
その歴史は、13世紀までさかのぼります。
辛口の白・赤ワインやドライシェリーがよく合ういます。
熟成が進んでシャープさが増してきたら、辛口の日本酒の肴にしても以外なとり合わせが楽しめます。