ねっとりとクリーミーで、ほのかなミルクの甘みと食べたあとで鼻に残るチーズの香り。何度も洗うので強い香りがありますが、皮までしっかり食べられます。
このチーズはフランスとスイスとの国境付近にあるモン・ドール一帯が産地。
モン・ドールは「黄金の山」という意味。
名前も地名から来ています。
同じタイプのチーズが、スイスでもつくられていますが、生産量は、フランスが圧倒的に多いです。
このチーズの最大の特徴は、モミの本の一種であるエピセアが素材として重要な役割を果たしていること。
チーズをエピセアの樹皮で巻いて固定させ、エピセアの棚の上で洗いながら熟成、そしてエピセアの木箱に入れて出荷するという工程で製造します。
チーズは箱の中でも熟成を続けます。
表皮は赤みがかった黄金色で表面は濡れて、しわがあります。
やわらかく濃厚なミルクの味わいに、エピセアのさわやかな香りが独特の風味を与えています。
食べるときは容器に入ったまま表面を薄く切り、スプーンで中身をほぐし、そのまますくって食べます。
そのまますくって食べるのがベスト。またパンに付けたり、ジャガイモにのせて食べます。
中身が半分ぐらいになったら、刻んだニンニクと白ワインを入れ、バン粉を振ってオーブンで焼いて食べるのも美味。
寒い冬におすすめの一品です。ワインは白を合わせるとよいでしょう。