山羊らしい酸味とミルクのまろやかさが絶妙のさわやかな風味のチーズ。熟成につれて、周りの木炭粉が黒からグレーに変わります。
フレッシュなクロタンをアツアツに焼いて野菜の上にのせたサラダ、クロタンのサラダで一躍脚光を浴びたチーズ。
ローストすることによって、山羊くささが薄れて食べやすくなり、高級フランス料理店の人気メニューとして知られています。
日本では若いものがポピュラーですが、地元では熟成したもののほうが圧倒的な人気。
わざわざカビがつくのを待って食べます。
まだカビの白いフレッシュな状態でもさわやかでおいしいのですが、熟成が進むと、さらにおいしさ倍増。
濃厚な山羊のミルクの風味と香りが強まり、そこへほくほくと栗のような食感が加わり、ほっこりとあたたかい味わいがあります。
クロタンは熟度によって味わいの違いを楽しめるため、店頭でも様々なバリエーションを用意して売っているところが少なくありません。
若いフレ(フレッシュ)、ドゥミ・セック(半分乾燥している)、セック(乾燥している)は、熟成の度合いの違いによる呼び方ですが、ほかにも、つぼに入れて熟成させたルパセなどがあり、このチーズの奥深さを実感します。
クロタンという名前は、クロと呼ばれる素焼きのランプからきたといわれています。
このチーズをつくるときに使った陶器の型が、そのランプに似ていたとのこと。
またクロタンの意味は、羊や馬の糞の意。
クロタンにカビが生え、真っ黒でいかにも馬糞に見えたことから、「シャヴィニョールの小さな馬糞」と言われようになったとも。
ワインのサンセールとの相性はとてもよいです。
若いうちはサンセールの白を、熟成したらサンセールの赤を合わせてみましょう。
そのままカットして食べてもおいしいですし、さっと焼いてサラダにのせて味わってみるのもよいでしょう。