山羊らしい酸味とミルクのまろやかさが絶妙のさわやかな風味のチーズ。熟成につれて、周りの木炭粉が黒からグレーに変わります。
シェーヴルは灰がまぶしてあるものが多く、中でもこのチーズは真っ黒な木炭の灰におおわれているので、一目でヴァランセとわかります。
周囲にまぶしてある木炭は、山羊乳特有の酸味を和らげ、マイルドにする働きを持っています。
熟成が進むと、この灰が黒からグレーになりますが、中身は白いままです。
このチーズのもう一つの見た目の特徴は、上部を切ったピラミッド型をしている形。
エジプト遠征に失敗したナポレオンが、ヴァランセ城に立ち寄った際、その悪夢を思い出さないようにとピラミッド型のチーズの上部を切り取らせ、現在の形になったという話が伝わっています。
さっぱりとした酸味が感じられ、しっとりとして上品な味わいのこのチーズは、レストランのプラトー(チーズを盛りつけたもの)でもよく出されます。
軽いシェーヴルの香りとさわやかな味は、食事とデザートの間の舌休めにちょうどよいのかもしれません。
熟成したヴァランセは酸味が弱まり甘みとナッツの香りが感じられます。
フルーティーな軽い辛口の白ワインによく合います。
レーズンの入ったバンやリンゴ、サラダ、オードプルとの相性もぴったりです。
サラダに散らすと味わいを一層豊かにします。