香ばしいナッツの風味があり、さらに濃厚なミルクのコクが加わわっています。フランス最大の生産量を誇り、最も親しまれているチーズ。
ボーフォール、コンテと合わせ、3大「山のチーズ」と呼ばれています。
このチーズの歴史は古く、14世紀にはすでにアボンダンスの修道士たちによって製造され、法皇庁御用達にも指定されたという記録が残っています。
表皮が濃い茶色で、側面が内側にくぼんだ車輪型をしている点もボーフォールに似ていますが、違うのは大きさ。
ボーフォールの約1/4ほどです。
中身は淡い黄色、しなやかで弾力はなく、小さい気孔が全面にまんべんなく広がっています。
食べるときは、表皮の下の薄グレーの部分も含め厚めに取り除きます。
粗野ともいえる独特の味が特徴。匂いが強く、フルーツを思わせる甘みと、ヘーゼルナッツの香り、舌を刺すような辛味がうまくまざり合って、複雑な味わいをかもし出し、口の中で絶妙なハーモニーとなって広がります。
このチーズの名は産地である同名の村からつけられましたが、アボンダンスという言葉には、豊富とか多量という意味もあります。
楕円形はフェルミエ製、四角形はその他製。
鑑札の左右に製造月日が印されています。
合わせるワインはライトなものがおすすめ。
軽い辛口の白ワイン、フルーティーな赤ワインと食べるとチーズのおいしさを引き出してくれます。
食べるときは適当にカットしてデザートやスナックに。