香ばしいナッツの風味があり、さらに濃厚なミルクのコクが加わわっています。フランス最大の生産量を誇り、最も親しまれているチーズ。
イタリア最古のチーズといわれ、古代ローマ時代の紀元前1世紀にはすでにつくられていたとか。
羊乳から作るDOCチーズ。
その名のとおり、もともとはローマ近郊でつくられていたので、ローマ地方の羊乳のチーズを意味するこの名がついていますが、現在ではサルデーニャ島でその大半が生産されています。
歴史の古いチーズは、もともと保存食の意味合いから塩けが強いのですが、このペコリーノーロマーノはかなりの塩辛さ。
最近はずいぶん塩分が抑えられていますが、表面に塩をまぶす伝統的な塩漬けの方法をとるため、塩の強さはまだまだ健在。
塩辛いだけではなく、ほのかな酸味と独特のコクと甘みがあります。
後味はヨーグルトとバターの香り。
加熱するとさらにうま味が引き出されます。
食べごろは、切り目の表面にホエーがにじみ出て「チーズが泣いている」と形容される状態のとき。
しっとりとして羊特有のマイルドなうまみが味わえます。
力強くコクのある赤ワインとのマリアージュは最高。
好きな人はそのままかじって食べますが。
一般には粉にして料理に使います。
ローマ近郊で生まれた「カルボナーラ」も、このチーズでつくると本格的に。
パスタ、リゾットなどの料理にもよく合います。