見た目はレアチーズケーキのようで、味わいもよく似ています。ただしチーズケーキほど甘くありません。
オーヴェルニュ地方の方言でバターミルクを意味するガプが名前の由来。
もともとはバターをつくったあとのミルクでつくられた乳脂肪分が少ないチーズでした。
ミルクを1滴たりと無駄にできない、かつての貧しい山の暮らしならではの工夫です。
現在では、良質のミルクをたっぷり使ってつくります。
ちょっとスパイシーなのがこのチーズの特徴。
半分脱脂したカード(凝乳)にバターミルクをかけてやわらかくし、そこに塩、コショウ、ニンニクを入れてつくります。
これらの味や香り、そして控えめなミルク本来のやさしい風味が感じられます。
まわりは乾いていて、押すとはねかえす弾力があります。
ガプロンのもうひとつ特徴は、丸いチーズにひもがかけられていること。
これはかつて天井からつり下げて熟成させた名残り。
熟成するために、かまどの火のそばに吊るしたのでスモークの匂いがついているものもありました。
スパイシーなので、レタスに包んだり、サラダに使ったり、そのままカットしておつまみにして歯べるのがおすすめ。
かたくなったら、すりおろしてパスタに利用してもおいしいです。
飲み物はミディアムポディの赤ワイン、ビールが合います。